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【ブルースインタビュー#20】石垣航平選手 「この仲間との時間。最後まで濃密に」

2022年05月07日(土)

この仲間との時間。最後まで濃密に。

石垣航平選手

 

 184センチ、98キロと立派な体格も控えめな性格。のんびりしている。

 宮古島出身の石垣航平は、「プライベートでは時間は適当」と沖縄タイムで動く。

 

 ただピッチに立てば、強く、ダイナミック。

 セブンズ日本代表として世界の舞台も経験した(3大会に出場)。一流アスリートたちを相手に戦った経験をチームに還元する。

 

 ブルースに加わったのは2021年の初夏からだ。所属していたコカ・コーラレッドスパークスが昨季限りで活動停止となったため、活躍の場を移した。

 宗像は、前職で営業所があった縁のある場所。そこでプロフェッショナルに転身し、チームに貢献している。

 

 リーグワン元年は、シーズン序盤こそコンディションが整わず出遅れるも、その後復調した。

 

 実施された全9試合(10節のレギュラーシーズン+順位決定戦初戦まで)のうち、第5節以降の5戦に出場。

 第7節からの出場4戦はCTBとWTBで2試合ずつ先発とチームに欠かせぬ戦力となっている。

 

 ブルースの一員となって初めてのホストスタジアム、グローバルアリーナでの試合は、4月3日の清水建設江東ブルーシャークス戦だった。

 その試合には14番でピッチに立った。逆転勝ち(40-38)でファンを喜ばせた試合を「後半、うまく切り替え、意思統一できた」と振り返る。

 

「コーラ時代とは違う感覚を受けました。いい雰囲気の中でプレーできて、またここでプレーしたいな、と思いました」

 

 仲間との仲の良さは、前チーム時代もそうだった。

「ただ、(ブルースは)若い選手が多く、のびのびとプレーしている印象を受けています。みんな、規律ある中で楽しんでいる」と話す。

 

 28歳。コカ・コーラに5季在籍した経験があるから落ち着きがある。

 社員選手からプロの生活に身を置くことになって「自分に使える時間が増えた」と変化を感じている。

 

「朝から集中力高く練習できる。午後の練習後、翌日の準備もできる」

「転向1年目なので、まだ上手に使い切れていないと思いますが」と前置きするが、新たなアスリート生活を気に入っている。 

 

 ただ、その生活も、クラブの活動休止決定に将来の見通しが立たなくなってしまった。

 2年連続の青天の霹靂。

 しかし、「チームがこれからどうなるのか、自分がこれからどうなるのか、と考えることはありますが、いまは目の前に集中しています」と言う。

 

「昨年(コーラ休部決定)は、シーズンオフに集合の知らせがあり、会社の方から突然決定を告げられました」

 呆然とした。ショックだった。

 

「でも今回は、わりと冷静に受け止められました。シーズン中で、試合もある。みんなで頑張ろう。そんな雰囲気があるので」

 

 個々がバラバラになってもおかしくない状況なのに、前向きでいる選手たち。

 なぜなのか。

 

「僕の場合、純粋にいま、このチームでプレーしていることが楽しい。ここに来て、時間を重ね、みんなとのコミュニケーションもとれています。充実しています。みんなと戦い切ってから、その後のことは考えよう、と」

 

 宮古高校時代は無印。先輩が進学した帝京大学で肉体と意識を変えた。4年時には7連覇の感激を味わう。

 這い上がった経験があるから強い。これまで通り、目の前のことに集中して前進を続ける。

 

 第10節(4月9日)の中国電力レッドレグリオンズ戦は、今季のプレータイムが短い選手たちがメンバー入りして50-14と大勝した。

 

 メンバー外だった石垣は自主的に現地へ足を運び、観戦。仲間たちのパフォーマンスを見つめ、「溜め込んでいたものを爆発させていましたよね」と感じた。

 

「感動しました。このメンバーと最後まで戦いたい。あらためて、そう思った試合でした」

 

 残るは順位決定戦の2試合目、5月8日の豊田自動織機シャトルズ愛知戦(パロマ瑞穂ラグビー場)だけ。

 チームメートとの時間を最後の最後まで濃密にする。