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ニコラ・フィアット コラムニコラ・フィアット コラム

「静かな責任感」

最初に、意識して、シャンパン(=シャンパーニュ)を味わったのは、いつだっただろう、とふと考えました。おそらく、それは、10年ぐらい前。場所は、F1のパドック。午後のセッションが終わったあと、夕暮れ時に、モーターホームで行われた、小さなパーティだったような気がします。披露宴などで出されるシュワッとした飲み物が、シャンパンだと長く信じ込んでいましたから、フランスのシャンパーニュ地方でつくられたものだけをシャンパンと呼ぶのだと知ったのは、それほど昔のことではありませんでした。  シャンパンが、それほど、特別なお酒とされるのはなぜでしょう。そこには、明確な理由がいくつかあるようです。

1. 厳しい規制に基づいて育てられたシャンパーニュ地方のブドウだけを用いています。
2. シャンパーニュ地方の土壌だけに含まれる成分(古代のイカに似た生物の化石)がシャンパン独特の風味を生んでいます。
3. 瓶内発酵がシャンパーニュの特徴です。他の産地では、この発酵をタンクで行う場合や、機械で炭酸ガスを注入している場合などがあります。
4. シャンパーニュ地方は、ブドウ栽培の北限です。そのためひときわ香り高いタンニンの低いブドウができます。


ここのところ、日本でも急激に人気が上がってきたとはいえ、まだまだ、ヨーロッパに比べて日本では、馴染みが薄いシャンパンですが、一番、シャンパンらしいシャンパンとは、どの種類なのでしょうか。それは、ノン・ヴィンテージ。つまり、年代記載のない、基本的なシャンパンです。 黒ブドウ70%(ピノ・ノワール、ピノ・ムニエ)、白ブドウ30%(シャルドネ)が平均的な割合。シャンパーニュ地方では、地方内の違う畑、違う品種、違う年のワインを配合するそうです。

夏の暑い日、玄海グラウンドで、フィットネスの練習を繰り返す、籔本貴久選手に話しかけました。すると、「きついですっ」と小さく一言。「ヤブ」と呼ばれる籔本選手は、口数が多くはないけれど、必要なときに、必要な言葉で、正直な思いを、相手に伝えられる選手の一人だと思います。派手ではないけれど、小さな努力を積み重ねていくその姿勢にも、強く印象付けられてきました。言い換えれば、籔本選手から感じるものは、「静かな責任感」。強烈なリーダーシップを発揮していくのは少々苦手だとしても、自分が伝えるべき思いがあれば、少ない言葉で、きちんと伝え、自分に与えられた役割があるとすれば、誰から何を言われなくとも、黙々と、日々、取り組んでいくのでしょう。それは、本当にベテランらしい、静かな責任感+リーダーシップなのではないでしょうか。

ノン・ヴィンテージのシャンパンがそうであるのと同じように、ラグビーチームというものも、さまざまな畑、品種、年の選手やスタッフが集まって、一つのチームができています。シャンパンをつくるなかで、醸造責任者が一番苦労し、また、腕の見せ所でもあるのが、ノン・ヴィンテージ。元々、ブドウは、自然の産物なため、その質には、バラツキがあります。そして、そのバラツキのあるブドウからつくられる良質なノン・ヴィンテージこそ、そのメゾンを代表する一品となるわけです。それと同じように、異質性を抱えた集団が、一つの良質なチームへとつむぎ合わされていくのは、容易い作業ではありません。醸造責任者が、自信のノン・ヴィンテージをつくり上げる場合と同じように、良質なチームが誕生するまでには、周囲の、愛情あふれるサポートが必要となります。そして、良質なチームの誕生を、最終的に可能とするのは、周囲に支えられたうえでの、チーム一人ひとりの「責任感」なのではないでしょうか。その、大人としての責任感が基礎となって、チームとしての不動の強さが生まれていくような気がします。

「星の王子さま」(サン=テクジュペリ作)のなかに繰り返し出てくるフランス語の大切な言葉に、“apprivoiser(=飼いならす)”というものがあります。この本のなかでは、「絆をつくる」と翻訳されたりするようですが、それは、仲良くなるために、こちらから積極的に働きかける、という意味。つまり、一度、自分がかかわった相手に対しては、長く、その責任を持ち続けるということ。それが、「星の王子さま」という名作のなかでは、繰り返し語られている真実なのでしょう。

私たちは、いえ、私自身は、なにに対して、あるいは、誰に対して、どんな責任を負っているのか……。シャンパンの泡のように弾ける、本物の活力とは、自分の責任の在り処を静かに認識するところから生まれるものだ、と思えてなりません。

宗像サニックス ブルース
チーム広報 野口眞弓

籔本 貴久 やぶもと たかひさ

選手プロフィール
SH
1977年7月20日生まれ(30歳)
173cm/78kg/大阪府出身/阿倍野中学→啓光学園高校→近畿大/九州代表(代表歴)
Words from Yabu
"みんなの前で、積極的に発言するのは得意ではありません。だからこそ、まず、自分自身が、周りから信頼されるようなプレイをしようと考えています。とくに、スクラムハーフはライバルが多いですから、昨年の反省を生かして、なんとか、試合で、自分のいい所を出していきたいと思います。ラグビーは、自分にとっては、人生そのもの。中学時代(阿倍野中学)の友人たちと話すと、好きなラグビーを、プロとしてできていることを、羨ましいと言われます。自分は恵まれている、とつくづく思いました。ラグビーをするうえで大切なのは、チームワーク。最近は、ラグビーの表面的な部分だけではなく、もう少し奥深いところを、考えながら、取り組めるようになってきたような気がします"

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