福岡サニックスブルース

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「2勝目。これから。」

トップリーグ第6節
2006年10月15日(日)KICK OFF 14:00     福岡・博多の森球技場
福岡サニックス ブルース vs 三洋電機 ワイルドナイツ 15:52(前半 10:19)

(試合メンバー)
1.杉浦敬宏 2.松園正隆 3.上田栄太 4.渡辺正善 5.伊達 肇 6. 菅藤 友7.大庭正裕 8.ディオン・ミュア 9.籔本貴久 10.沼田一樹 11.永留健吾 12.松尾博文 13.ピラ・フィフィタ 14.大庭照光 15.古賀龍二 16.加古川雅嗣 17.篠原光弘 18.ハレ・マキリ 19.西端 要 20.鬼束竜太 21.堀田雄三 22.アマシオ・ヴァレンス

(試合経過)
 試合開始から、ボールを回して攻めるブルースに対して、キックで前進を図るコカ・コーラウエスト、という展開。先に得点をしたのはコカ・コーラウエスト。 前半11分、自陣ゴール前まで攻め込まれたブルースは、ラックで反則を犯す。コカ・コーラウエストはPGを選択し、SOがきっちり決め、先制点を挙げた (0‐3)。続く15分、コカ・コーラウエストにゴール前まで攻め込まれると、BKに展開され、最後はWTBにトライを決められた(0‐8)。その後、28分にもトライを奪われ、リードを広げられた(0‐13)。しかし、前半終了間際の41分、自陣10m付近でコカ・コーラウエストが反則を犯すと、SH籔本の素早い仕掛けから、LO渡辺が突進しラックを形成。そこから右に展開し、CTBフィフィタが、相手DFの裏に出てFB古賀にパスが繋がる。さらに、FB古賀が相手DFを引き付けてWTB大庭(照)にパスが繋がると、WTB大庭(照)がインゴールまで走り切り、トライを決めた(7‐13)。ここで前半が終了。後半開始早々の1分、相手陣10m付近で、N0.8ミュアが相手からボールを奪い取ると、HO松園→LO渡辺→SO沼田→PR上田→CTBフィフィタとパスが繋がった。CTBフィフィタが内にステップで切り込み、相手DFをかわし、トライを決め、続いて、FB古賀がトライ後のコンバージョンを成功させ、リードした(14‐13)。続く4分、相手陣ゴール前から右に展開。CTB松尾→WTB大庭(照)→CTBフィフィタ→N0.8ミュアとパスが繋がり、N0.8ミュアが相手DFを突破しトライを奪った(21‐13)。その後、10分、コカ・コーラウエストの反則からPGを選択。FB古賀がきっちり決め、リードを広げた(24‐13)。ブルースはその後も攻めるが、ミスや反則で得点には至らず、24‐13でノーサイド。今季トップリーグで、ブルースは、2勝目を挙げた。

チーム広報コラム(7)
「2勝目。これから。」
ピラ・フィフィタ選手 (31歳) CTB/WTB
183cm。107kg。

(略歴)ノースオタゴ(NZ NPC)→バイヨンヌ(FRA)→サニックス(2006年)
(代表歴)九州代表
(紹介)トンガ出身。高校時代はニュージーランドでプレイ。走り出したら止まらない、弾丸ライナー。見かけによらず、気さくに誰とでも話す。一昔前の日本人のよう。練習で走り足りないと思えば、オフの日にグラウンドに出てきて、一人、走り込みを行なう。練習後のストレッチも欠かさない。宗像の真面目なマイク・タイソン。

「私たちは、過去より現在のほうを、よりよく知っているであろうか」。「幸福は個人的な事柄か」。「政治は科学かそれとも芸術か」。これらは、フランス人が大学受験をするときに答えなければならない、通常の試験問題。まさに哲学。親しい友人に聞いたところによると、フランスでは、誰でも大学に入学しようとするときに、こういった哲学的な問題を数多くこなさなければならないということでした。フランスとイタリアで何度もチャンピオンシップを獲得し、ヨーロッパで「トロフィーの人」と呼ばれるクリスチャン・ガジャン(当方ラグビー部仏人ラグビーディレクター)からも、一つひとつの戦術の背後には、「哲学」があるのだと教えられてきました。一つの戦術にどういう深い意味があるのか。戦術を支える思想を理解することができなければ、おそらく、優勝をかけたような大一番では、それを機能させることはできないでしょう。そういった「深み」を知っているフランス人指導者に出会えるのは、私たちにとっては貴重なこと。そんな幸運を、大切にしたいと、願わずにはいられません。
 試合前のスタジアムで、信頼するスポーツジャーナリストから、興味深い話を聞きました。「プロ野球のパリーグで、昨年と今年、優勝したロッテと日ハムに共通していたこと。それは、チームが正しいと判断して提示したことを、試合中に選手が忠実に行ったとすれば、たとえ失敗したとしても一切責めない、という意識を、チームのなかで徹底させたということでした。だからこそ、選手たちは、結果を恐れず、伸び伸びとプレイすることができるようになりました」。そんな一つの「徹底」の背後にも、人としての哲学があるような気がしてなりません。戦術を技術だけで捕らえても、ある程度の成績は残せるかもしれません。しかし、もし「トロフィー」を本気で獲得しようとするのであれば、戦術を支える思想や哲学の「深さ」を抜きにしては無理なのではないでしょうか。
 試合終了後、今回の試合でも、すべてのトライに絡んだピラ・フィフィタ選手が、地元記者から熱心な質問を受けました。「私は、フィジカルは好きですが、それを、一人で行っているわけではありません。あくまでも、チームが決めたゲームプランに従って、自分の役割を果たしているのに過ぎません。次の試合に向けても、ビデオを見て、今日の試合のミスを確認し、修正しながら、当たり前の準備をしていくだけです」。それは、フィフィタ選手の哲学。本当の強さを知っている人は、なにが永続して、なにが永続しないのかを知っていて、思想のない強さでは、トロフィーまで到達しないことを知っているのでしょう。フィフィタ選手の個人技を支えているのは、そんな人としての強さなのだと確信しました。
 試合終了後に、記者会見場から出てきた、古賀龍二キャプテンも、穏やかで吹っ切れた表情。おそらく、ここ数戦での葛藤を経て、キャプテンらしい顔になってきたのでしょう。反撃の準備はできました。次に私たちが選択すべきは、トロフィーへと繋がる道です。

ブルースチーム広報
野口眞弓
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