福岡サニックスブルース

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「心の精度」

トップリーグ第4節
2006年9月30日(土)KICK OFF 15:00     大阪・近鉄花園ラグビー場
福岡サニックス ブルース vs 神戸製鋼 コベルコスティーラーズ 22:41(前半 17:19)

(試合メンバー)
1.杉浦敬宏 2.松園正隆 3.上田栄太 4.渡辺正善 5.伊達肇 6. 菅藤友7.大庭正裕 8.ディオン・ミュア 9.籔本貴久 10.沼田一樹 11.永留健吾 12.松尾博文 13.ピラ・フィフィタ 14.大庭照光 15.古賀龍二 16.加古川雅嗣 17.篠原光弘 18.ハレ・マキリ 19.西端要 20.鬼束竜太 21.堀田雄三 22.アマシオ・ヴァレンス

(試合経過)
 前半開始から、相手陣で攻撃を続けるブルースは、7分、連続攻撃からゴール前まで攻め込むと、ラックからCTBフィフィタがボールを持ち出し、相手DFをなぎ倒しトライを決め、先制点を奪った(7‐0)。しかし、20分、神戸製鋼に連続攻撃でゴール前まで攻め込まれると、ブルースはラックで反則を犯す。神戸製鋼のSHが素早くし掛け、DFの隙を突き、トライを決めた(7‐5)。その後、25分にも神戸製鋼にトライを奪われ、リードを許した(7‐12)。ブルースは30分、相手陣22m付近のスクラムから、No.8ミュアがサイドを突破。LO伊達にパスが繋がり、相手タックラーを引き摺りながらインゴールに飛び込み、トライを決め、続いて、FB古賀がトライ後のコンバージョンを成功させ、リードした(14‐12)。しかし、36分、神戸製鋼にトライを奪われ再びリードされた(14‐19)。差を縮めたいブルースは、前半終了間際の40分、FB古賀が40mのPGを決め、17‐19で前半を終了。後半8分、自陣ゴール前の神戸製鋼ボールのスクラムから、押し込まれ、最後はNo.8にボールを抑えられ、トライを奪われた(17‐24)。その後、13分にもトライを決められ、リードを広げられた(17‐29)。しかし、その直後の16分、相手のキックからFB古賀がカウンター攻撃を仕掛け、ラックを形成。ラックから右に展開し、WTB大庭(照)が相手DFの空いたところに走りこみ大きくゲイン。WTB大庭(照)→LO伊達→CTBヴァレンスへパスが繋がり、途中出場のCTBヴァレンスが右隅にトライを奪い、差を縮めた(22‐29)。しかし、24分にトライを決められると(22‐34)、35分にもトライを奪われて、リードを広げられた(22‐41)。ブルースは最後まで攻め込むが、トライを奪えず、22-41でノーサイド。

チーム広報コラム(5)
「心の精度」
籔本貴久(やぶもと・たかひさ)選手 (29歳) SH
173cm、78kg。

(略歴)啓光学園高校→近畿大学→サニックス(2000年)
(代表歴)九州代表
(紹介)大阪生まれの大阪育ち。コテコテの大阪人のはずだが、控え目でマジメ。そんな性格はプレイにも現れる。正確なパスとキックには定評があり、自ら走るのではなく他の選手を走らせる。また、その正確なパスやキックを放つため、練習後の個人練習は欠かさない。そんな籔本選手の趣味は、「ドラえもん」。

 この日、久々に先発出場したメンバーのなかに、籔本貴久選手(29歳)がいました。「とにかく、速いパスを心がけて、トライをとりにいくことを考えました。それは、ある程度上手くいったと思っています。反面、全部、展開しようとし過ぎた部分もあったかもしれません。パスばかりではなく、落ち着いて別の判断をすればよかった部分も一つ、二つありました。この2年間で、近藤コーチの指導のもと、体重を、12kgほど落としました。そのおかげで、ボールを追って、走り続けることが容易になってきました。それと、子どもが生まれたことで(*莉望=りのちゃん。女児。10ヶ月)、頑張らなければならない、という意識も少し変わってきました」。
 真面目で、普段は言葉少ない籔本選手ですが、先発機会を待っていた間も、フィットネスと意識改革に励み、今回のチャンスを掴みました。「同じように先発機会を待っていた沼田(SO)とは、お互いに励まし合いながらやってきました。パスもずいぶんとってもらいました」というように、黙々と「精度」を磨きつつ出番を待つ選手たちが、出場機会を得たときにピッチ上で見せる動きや表情には、いつでも、心動かされるものがあります。
 試合終了後、記者会見場を出たところで、中継テレビ局のある友人が声をかけてくれました。「残念でしたね。でも、見ていて本当に面白かった。あぁいうラグビーをやるチームは、トップリーグで他にないです。問題は、あと一歩の精度だと思います。あと少しですね」。たしかに、言われたとおり、結果を出すには、「精度」(=仕上がりの正確さの程度)というものが、最後の最後に問われるのだろうと思います。
 プレイ上の「精度」の高さは、おそらく、厳しい練習からしか生まれてこないのでしょう。しかし、ラグビーの試合を見ていると、他のスポーツ同様、ピッチ上では、心の「精度」も現れているような印象を持ちます。そして、その心の「精度」は、日々起こる小さな出来事を通し、人との係わり合いのなかで高めていくしか手はないのです。

「いかなる道もひとつの道にすぎない。
心(ハート)に従うかぎり、道を中断してもさげすむ必要はない……
あらゆる道を慎重によく見ることだ。
必要とあらば何回でもやってみるがいい。そして自分に、
ただ自分ひとりに、つぎのように尋ねてみるのだ。
この道に心(ハート)はあるかと。心(ハート)があればいい道だし、
なければ、その道をいく必要はない。」
カルロス・カスタネーダ『ドン・ファンの教え』より

 心の「精度」を高めつつ、長崎へ……。

ブルースチーム広報
野口眞弓
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