
2007/2008トップリーグ 第1節 [ 試合結果 ]
2007年10月28日(日)KICK OFF 14:00 福岡・博多の森球技場
福岡サニックス ブルース vs コカ・コーラ レッドスパークス 17:13(前半 5:13)
(試合メンバー)
1.杉浦敬宏 2.松園正隆 3.上田栄太 4.鄭 智弘 5.伊達 肇 6.西端 要 7.大庭正裕 8.ディオン・ミュア 9.籔本貴久 10.小野晃征 11.永留健吾 12.松尾博文 13.ピラ・フィフィタ 14.大庭照光 15.古賀龍二 16.安岡忠和 17.山際明信 18.イシトロ・マカ 19.乾 武志 20.鬼束竜太 21.アマシオ・ヴァレンス 22.崔 基俊
(試合経過)
前半、ブルースのキックオフで試合は始まった。先制したのはブルース。8分、敵陣22mライン付近のラックから左に展開。SO小野→CTB松尾→FB古賀とパスが繋がると、FB古賀が相手DFを上手く引きつけ、WTB永留にパスを繋ぐ。WTB永留がそのままインゴールまで走りきり、トライを決め、先制点を奪った(5‐0)。しかし、11分、自陣ゴール前のラックから、相手FWにサイドを突かれ、トライを奪われると(5‐7)、23分にはPG、終了間際の38分にはDGを決められ、5‐13で前半を終了した。後半、先に得点をしたのはブルース。3分、敵陣10m付近のラインアウトから左に展開。後半から出場のヴァレンスから、内に走り込んできたWTB大庭(照)にオフロードパスが繋がると、WTB大庭(照〉がタックルされながら、フォローしていたLO伊達にパスを繋ぐ。LO伊達がDFをかわし、30mを走りきりトライを決め、差を縮めた(12‐13)。続く、23分、敵陣ゴール前のラックから左に展開。CTB松尾→SOヴァレンス→FB古賀→WTB永留とパスが繋がり、WTB永留がインゴール左隅に飛び込み、トライを決め、リードを奪った(17‐13)。その後、コカ・コーラウエストに攻め込まれるも、ブルースは粘り強いDFで得点を許さず、17‐13で試合は終了した。
試合前、ブルースのブースに立ち寄ると、そこでは、スタッフに混じって、何人もの選手たちが、応援に駆けつけてくれたファンの受付や、「魚鱗癬(ぎょりんせん)の会」の署名活動で、忙しく動き回っていました。そのなかには、プレシーズン・マッチで活躍していた面々も。一口に「開幕戦のメンバー」と簡単に言っても、どれほど、ポジション争いが激戦だったことか……と思わずにはいられませんでした。そして、全13試合のうちの一試合に過ぎないと、いくら気持を静めようとしても、やはり、何度経験しても、シーズン開幕戦というものは特別なもの。ロッカールーム前で、自分の用事を済ませながらも、その特別な緊張感が、ひしひしと伝わってきました。その緊張感は、たとえば、入替戦の緊張感とも少し違って、説明の仕様がないほど大きなものです。だからこそ、接戦をものにしたときの喜びはヒトシオ。試合後、信頼するメディアの方から、「今日は、コーラに勝って、ベンチが大喜びしていましたね。それだけのプレッシャーがあったのでしょうか」と尋ねられ、「地元の開幕戦で、さらに、コーラ相手の福岡ダービーというのは、特別のプレッシャーがあったのだと思います」と答えながらも、その特別な緊張感と勝利の喜びを上手く説明することができませんでした。開幕戦の勝利とは、それほどに、とてつもなく重たく、それほどに嬉しいものなのです。
勝利した試合を総括して、藤井監督は、「今日の試合は、とにかく、我慢してくれ、と選手たちに話していました。コーラのディフェンスに苦しめられましたが、選手たちは、期待に応えて、よく辛抱してくれました」。その監督の言葉が、今日の試合を、端的に語っていました。選手たちは、最後の一瞬まで、じつに、粘り強く、本当によく走り続けてくれました。走り続けたからこそ、試合終盤の相手の執拗な攻撃に耐えることができた……。試合後、開幕戦にSHとして先発出場した籔本選手が、「苦しい試合でしたが、昨シーズンも、コーラとは競り合って勝っているので、どこかで、勝てる自信はありました」と話したように、開幕戦でのブルースの粘りは、その自信と成長の証でしょう。
プロ化したスポーツに長く携わりながら痛感してきたのは、「ロジスティクス」の大切さです。誰もが、プロスポーツにかかわる以上は、現場で、華やかに、動きたいものかもしれません。しかし、全員が前線に立ってしまったら、組織は機能していきません。背後から、しっかり支える"誰か"がいなければ、長期戦をものにすることは不可能なのです。前線には出ず、自らは、基地から動かずに、全体の動きを絶えず見渡し、チームをコントロールする「ロジスティクス」が機能しているかどうかが、長期的に考えると、そのチームの成否を決める鍵なのでしょう。今回の開幕戦も、試合をまったく観られずに、スタジアムの外で懸命に働いていたスタッフが何人もいました。ブルースの成長と自信は、もちろん、選手たち自ら、走り続けて、獲得したもの。しかし、それを根底から支えている"誰か"がいることも、決して忘れずに……と切に願います。
永留健吾選手コメント
「同じ福岡のチームで、絶対に負けたくないという思いでした。前半は、相手にリードされて折り返しましたが、それでも、後半に走り勝てる自信はありました。今日の試合でした、私の2回のトライは、チームの勝利を最優先して考えていたなかで生まれたものなので、嬉しさは二倍でした。自分自身の反省としては、何本かのタックルミス。これから、修正していかなければなりません」