福岡サニックスブルース

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「ミラクルの主人公と涙」

トップリーグ第2節
2006年9月9日(土)KICK OFF 17:00     福岡・博多の森球技場
福岡サニックス ブルース vs ワールド ファイティングブル 35:19(前半 13:0)

(試合メンバー)
1.杉浦敬宏 2.松園正隆 3.上田栄太 4.渡辺正善 5.伊達 肇 6.西端 要 7.大庭正裕 8.イシトロ・マカ 9.鬼束竜太 10.松尾博文 11.堀田雄三 12.菅藤 友 13.ピラ・フィフィタ 14.永留健吾 15.古賀龍二 16.加古川雅嗣 17.篠原光弘 18.ハレ・マキリ 19.西浦啓三 20.徳永 剛 21.大庭照光 22.アマシオ・ヴァレンス

(試合経過)
 試合開始早々、キックで相手陣に攻め込んだブルースは、1分、マイボールスクラムから、CTBフィフィタがブラインドサイドを突くと、相手タックラーを弾き飛ばし、そのままインゴールへ飛び込み、先制のトライを奪った(7‐0)。その後、ブルースは相手陣に攻め込むも、ミスで得点に繋がらない。32分、 ワールドが反則を犯すと、ブルースはPGを選択。FB古賀がきっちり決めてリードを広げた(10‐0)。37分にもPGが決まり、リードを広げて前半を終了した(13‐0)。後半開始1分、マイボールラインアウトから左に展開。CTBフィフィタにパスが繋がると、相手DFのギャップを突き、大きくゲイン。 そのまま相手DFを振り切りトライを奪った(18‐0)。その後、9分にもPGが決まりリードを広げた(21‐0)。しかし、24分、ワールドにDFの隙を突かれトライを奪われると(21‐7)、31分にもトライを奪われ、差を縮められた(21‐12)。その直後の33分、キックオフから激しいプレッシャーをかけ、相手ボールをターンオーバーすると、左に展開。途中出場のCTBヴァレンスが相手DFのギャップを突き、そのままインゴールに飛び込みトライを奪い、リードを広げた(28‐12)。40分にも、ゴール前ラインアウトからモールを押し込み、最後は途中出場のPR篠原がトライをし、ワールドを突き放した(35‐12)。終了間際、ワールドにトライを奪われて(35‐19)試合は終了した。

チーム広報コラム(3)
「ミラクルの主人公と涙」
菅藤 友(かんとう・ゆう)選手(27歳) CTB
179cm。95kg。

(略歴)長崎ラグビースクール→長崎南山高校→専修大学→サニックス(2001年)
(代表歴)日本選抜(2003年アジア大会スリランカ戦出場)、九州代表
(紹介)3兄弟では一番体が大きく、もともとはFWの選手。タックルは正面から真っ向勝負。相手が自分より体の大きいFWの選手や外国人選手であっても、怯 むことなく向っていく。この男気あるタックルを、チームメイトは「おとこタックル」と呼ぶ。試合中も、「おとこタックル」が決まると、一気にチーム全体が 勢いづく。

 ブルースが、トップリーグで、2004年1月4日以来の白星を挙げたワールド戦(2006年9月9日)をスタジアムで観ながら、前日、菅藤友選手から聞いた言葉が頭から、離れませんでした。「僕たちがミラクルを起こすためには、明日のワールド戦にはどうしても勝たなければならないんです。明日も負けて、 それでも、ミラクルを起こそうなんて、おこがましいことは考えられません」。それゆえ、リードしていても、ノーサイドの笛が聞こえるまで、少しも気を緩められなかったのは、きっと私だけではなかったと思います。
 ラグビー界では有名な話ですが、菅藤ファミリーは、4人兄弟のうち、3人の兄弟がラグビー選手。とくに、今シーズンは、その3人全員が、トップリーグでプレイしています。次男の菅藤圭選手(29歳・CTB)はコカコーラウエストレッドスパークス、末っ子の菅藤心選手(25歳・SO)はサントリーサンゴリアスに所属。「ラグビーをしていない長男が、成績もいいし、スポーツも万能で、一番優秀」と菅藤友選手がいうところの、菅藤元(31歳)さんを筆頭に、4人の兄弟が揃うと、どんな話題になるのだろう、と「菅藤家の謎」に、少しだけ迫ってみると……。「正月とかで集まっても、ラグビーの話はほとんどしません。人数が多いので、それぞれがバラバラで、好きなことを喋っていますよ。僕も負けずに話していますけれど。僕は、兄弟のなかで、中間管理職と呼ばれています(笑)。子どもの頃は、兄弟の誰かが両親に叱られていると、その間を行ったり来たりしながら、仲裁していたらしいです。長男は次男に厳しく、次男は僕に厳しかったけれど、僕は下をひっぱたいたことは、一度も、ありません」。おそらく、家族の尊敬を集める長男・元さんのもと、その下の兄弟が安心して、伸びやかに育ったのでしょう。菅藤友選手は、いつでも、自分の考えを臆せず、明確に話します。それは、個性豊かな兄弟のなかで、負けずに、自分の立ち位置をはっきりさせながら、育まれてきた性格なのではないでしょうか。
 白星のワールド戦終了後、ふと気づくと、藤井監督が泣いていました。「泣くのは早いですよ」と声をかけながらも、藤井監督にとって、トップリーグ14連敗のプレッシャーがどれほど大きかったのかを思い知った瞬間でした。8月中に東京で行われた、トップリーグのプレスカンファランスで、サントリーの新監督が、「奇跡を起こします」と発言。それを聞いた藤井監督が、「サントリーが勝って、それを、"奇跡"と呼べるでしょうか」と呟くように言いました。それは、他チームの監督に対する批判でもなんでもありません。そう。ミラクルの主人公には、ブルースこそ相応しい、と私たちは、心から思うのです。そして、必 ず、ミラクルを起こしてみせる、と。「ミラクルを起こすスタートライン」に、私たちは、ようやく立ちました。これから、さらに激しい戦いが強いられていくなかで、どれだけ、毎試合、クロスゲームを繰り広げていけるか。ミラクルが起こせるかどうかは、その一点にかかります。

ブルースチーム広報
野口眞弓
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